2023年2月21日、アップセルテクノロジィーズ株式会社、SATORI株式会社、弊社の3社にて、BtoBの新規営業手法についてセミナーを開催しました。
「企業リスト作成」「アウトバウンドコール」「ナーチャリング」それぞれの営業フェーズにおいて、プロフェッショナルの各社より公開した新規顧客の開拓術について、レポートにてお伝えします。
第一部:受注に結びつくコアターゲットリストの作り方
弊社からは代表の池上が登壇し、コアターゲットの作り方についてご説明しました。
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ネットビジネスサポート株式会社
- 営業、マーケティング現場で40年以上の経験を活かし、企業データを新しい視点で整備、活用することを目指しています。
- 次世代型Web企業データ「Beegleデータ」「マーケティングタグ」など提供中。多くのコラム・書籍執筆やセミナー講師活動を行う。
代表取締役社長 池上 正夫
コアターゲットの作り方
新規営業の成功には、「リスト」「スクリプト」「タイムリーなフォロー」の3つが重要となります。この3要素は相関関係にあり、掛け合わせで営業成果は決まるため、どれか一つでもイマイチだと、営業成果は伸びません。いくら素晴らしいスクリプトと優秀な営業マンが揃っていても、リストがイマイチでは受注には至らないのです。
では弊社の考える良いリストとは何か。それは「いかに絞るか・減らすか」がポイントです。やみくもに数を打って営業するのではなく、はじめから的確なターゲットに絞ったリストに、ピンポイントでアプローチします。
これまで「地域」「業種」「規模」等を条件として絞り込み、リストを作成していた方も非常に多いことと思います。ただこの大まかな絞り込みでは対象が多すぎてしまい、営業活動がとても非効率です。
弊社のPapattoクラウドでは、業種より更に細かな事業分野や、企業の活動内容といった、具体的で細かなリストの絞り込みが可能です。高精度のリストはテレアポの時間と費用の削減にもつながり、大幅な効率アップが期待できます。
更に、絞り込んだターゲット企業の、ターゲットとなる部署に直接アプローチできれば、これまでの5倍の営業効率も見えてきます。
リストを絞って受注が増えた成功事例
一例として、これまでに下図のような条件でのリストをご提供し、受注増に繋がりました。
更に具体的な事例を1件ご紹介します。下記の条件について、2つの方法で絞り込んでリストを作成しました。
- 条件
- 商材:センサー
- ターゲット企業:精密機器、測定機器を開発している会社
- 方法1
- ①「製造業」 且つ 「測定・分析・検査・センサー」「制御・電気機器」分野で絞り込み
- →結果:14,948社
- ②「従業員300名以上」で絞り込み
- →結果:882社
- ③882社のそれぞれの組織図を元に、ターゲット部署へテレアポ
- 方法2
- ①部署名「生産技術」「計測」で絞り込み
- →結果:26,375件(6,693社)
- ②部署の所在地を「東京都」で絞り込み
- →結果:2,217件(806社)
- ③企業の大代表ではなく、各部署へ直接テレアポ
良いリストと最適なコール会社をみつけよう!
このような高精度のリストに対するアプローチに、代行企業を活用する場合、最適なインサイドセールス代行企業を選定するサービスをご提供しています。
どんなターゲットにどういったアポが取りたいか、その時々の条件に合わせて、専門のアドバイザーチームが、ターゲットリストの作成から代行企業の選定まで、中立的な立場でご支援します。インサイドセールスを始めたい方、運用でお悩みの方は是非一度ご活用ください。
第二部:信用醸成を高めていくラストワンマイルは、「声での接点による価値」
アップセルテクノロジィーズ株式会社からは、取締役の塚本氏より、インサイドセールスの成果を高めるポイントについて講演がありました。
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アップセルテクノロジィーズ株式会社
- 大学卒業後、不動産業界やコールセンター業界及びWEBコンサルティング、営業コンサルティング、セールステック領域に従事。電話業務の効率を担う独自開発のコールシステム「アップセルクラウド」の提供をはじめ、5000社以上のBPO実績とリアルな対話分析によるトップパフォーマーの共通項を基にインサイドセールス構築支援コンサルティングに携わる。
- 顧客接点も多様化する中で、信用醸成を高めていくラストワンマイルは、「声での接点による価値」は大きいと感じております。お客様と寄り添い、価値を高める対話をテクノロジーとヒューマン、そしてAIを活用して実現度をより高めていく支援に取り組んでいる。
アップセルクラウド事業本部管掌 取締役 塚本 昌昭 氏
電話で成果を高めるためのポイント
インサイドセールス担当者の業務時間のうち、実際の営業活動に費やされる時間の割合は“33%”です。8時間勤務とすると、約2時間の計算になります。
この2時間の間に、より濃い営業活動を行うためには、キーマンと話せている時間の多さが重要になります。一般的には10~12時、14~16時が、通話率が高いと言われています。更にアップセルテクノロジィーズ社の実績値によると、下記の条件が通話率が高いとの検証データが出ています。
ただ、業界や扱う商材、ターゲット企業の業種やキーマンの役職等、様々な条件によって、通話率の高い曜日も時間帯も変動します。重要なのは、自社の電話営業はどういった傾向にあるのかを把握することです。
昔から言われる気合と根性ではなく、リアルなデータによる科学的根拠を基にした営業電話で、成果を高めましょう。
お客様に好かれるトークの流れ
お客様との信用情勢のためにYesを積み上げる「同調」から始まり、「共感」を築き、最終的に「誘導」に入っていきます。「同調」と「共感」がしっかり構築できれば、「誘導」いわゆるアポイントを獲得しやすくなります。
「同調」で重要なポイントは、いかに早い段階でお客様からYesをもらうかです。手法としては2つあります。
- 手法1:事実ベース
- 相手の事実情報を伝える。
- (例:●●をメインの事業とされているのですね)
- 手法2:感情ベース
- こちらの考えを相手と共有する合意形成技術。
- (例:●●の方が、現実性があり、早く成果につながりますよね)
お客様と寄り添うための質問の技術
営業電話でより高い成果を上げるためには、「話す:聞く=43:57」の割合が理想的とのデータが出ています。優秀な営業ほど、自分が話すより聞き手に回る時間が長いと言えますね。
では、お客様により多く話してもらうためには、どうすれば良いのでしょう。それは、お客様の状況を引き出すための、質問の技術を磨くことが有効です。そのために、2つの質問の種類を理解しておきましょう。
- ①クローズドクエスチョン
- A or B、Yes or Noで答えられる、比較的答えやすい質問形式
- (例:AとBのどちらがお考えに近いですか?●●には取り組んでいらっしゃいますか?)
- ②オープンクエスチョン
- 相手の実情に寄り添った質問形式
- ②-1 いつ・どこで・誰が(例:●●はいつ頃からご使用ですか?)
- ②-2 なぜ・どのように(例:なぜそう思われるのですか?)
信用醸成を高めていくラストワンマイルは、「声での接点による価値」
メール、Web、SNSなど様々な営業アプローチ手法がありますが、信用情勢のためには声による接点の価値は大きいです。アップセルテクノロジィーズでは、声の価値を高め続けていきます。
弊社が提供する「アップセルクラウド」は、下記のメリットをご提供します。準備から運用後まで、手厚いフォローのサポート体制を整えております。
- ✅電話が有効な時間帯と曜日を自動で集計
- ✅テレワークも利用可能
- ✅コール量の確保
- ✅対話クオリティの向上
- ✅通話コスト削減
声の価値を高めるツールとして、是非ご活用ください。
第三部:商談・受注を創出する見込み顧客獲得・フォロー術
SATORI株式会社からは、朴氏より、見込み顧客リストの「質」と営業アプローチの「質」を底上げする方法をお伝えしました。
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SATORI株式会社
- 「誰でも受注できる商談獲得」を目標に、インサイドセールス部門のリーダーとして成果コミットと約20名のメンバーマネジメント業務に従事、両立。
- 現在は、マーケティング企画Gにて、営業組織作りをミッションとして活動。
マーケティング営業部 マーケティング企画グループ リーダー 朴 翔己 氏
見込み顧客の検討度の高まりを逃さずアプローチ
誰もが実感としてあるように、購買行動の非対面コミュニケーションの割合が高まっています。それに伴い、以前は対面で検知していた「見込み顧客の検討度の高まり」を非対面で検知することが重要になっています。
そのためには、見込み顧客のオンラインでの行動履歴を活用しましょう。検討度が高まった見込み顧客が必ず確認するであろうページを閲覧したタイミングで営業アプローチをします。
下記に、リード母数に対する架電によるアプローチでの商談化率の違いをご紹介します。
効率的な営業活動のためには、見込み顧客の検討度に合わせてアプローチする、すなわち会うべき人に会い、まだ会うべきではない人には会わない、優先順位をつけた営業活動の仕組みが重要なのです。
併せて、検討度の変化にいち早く気づき、アプローチするタイミングを見逃さないための仕組みも重要です。弊社では、条件として設定したWebページに訪れた見込み顧客が現れた際、営業担当へ自動でアラートのメールが飛ぶようにしています。これによって、営業の手間をかけることなく、ベストなタイミングでのアプローチが可能になります。
顧客に合わせた営業コミュニケーション
弊社では、検討度合いが浅い見込み顧客には、属性は興味に合わせたコンテンツを紹介しています。こういった、欲しい時に欲しい情報を提供する仕組みが、効率的なアポイントの獲得に繋がります。
- 顧客属性
- →顧客の業種に合わせた業種別事例集をご紹介
- 興味・行動
- →新規獲得課題のWebページを閲覧した見込み顧客に、新規開拓向け活用事例をご紹介
- アクションに応じたステップメール
- →製品詳細のWebページを閲覧した見込み顧客に、製品紹介セミナーのご案内
- →→未申し込みの場合はおススメ資料のご紹介
分類ごとにグルーピングした見込み顧客へ最適なメルマガを配信した結果、イベント特設サイトへの訪問件数が1.5倍以上増加した事例もあります。
ただ、こういったお客様の行動に合わせたアプローチの仕組みは、人間の手で行うことは現実的ではありません。是非、ツールを活用して自動化しましょう。
Webページからの新規顧客獲得
Webサイトに来てくれているのに名前のわからない見込み顧客は、どのくらいいると思いますか?答えは70~80%です。このせっかくサイトに訪問してくれたのに名前のわからない匿名客を実名化するための仕組が、ポップアップです。
ポップアップで、自社のWebサイトを見ている見込み顧客に、フォームやバナーを表示させ、問い合わせなどのアクションを起こしてもらいやすくします。この時に大事なポイントは、誰かれ構わず出さない、検討度合いが高まったと思われる見込み顧客だけに出すことです。
例えば、「週2回以上特定の商品ページを見ている」「事例や料金のページを見ている」といった条件で興味を持っている見込み顧客としてグルーピングして、お問い合わせのポップアップを表示させます。この取り組みで、お問い合わせが2倍になった企業もあります。
架電リストとタイミング、また顧客に合わせたコミュニケーションの「質」を上げる仕組みづくりに、SATORIをご活用ください。上記でご紹介した新規顧客の開拓にも貢献します。マーケティングの知識がないという方でも安心して導入いただける立ち上げ支援プログラムが充実している、国産のMAツール「SATORI」、無料オンラインセミナーにて詳しくご紹介しておりますので、是非ご参加ください。
質疑応答
3社の講演後は、ご視聴の皆様より寄せられたご質問に回答しました。
Q.リスト作成時のターゲットのご相談からできるのでしょうか?
A.可能です。どんな商品なのか、どんな企業に売りたいのか、どんなアプローチがしたいのか、何件くらいの案件数がいいのか等、ざっくばらんにご相談ください。たくさんのお客様のご相談に対応してきた経験を基に、リストの絞り込み条件等、最適なご提案をさせていただきます。(ネットビジネスサポート株式会社)
Q.インサイドセールスがやみくもにコールする部署になってしまっています。何から手をつければ良いでしょうか?
A.まずは現状のリアルな状態を掴むことから始めましょう。本当の課題はどこにあるのかを把握した上で、PDCAをまわしましょう。誤った想定で動いては改善が遅れてしまいます。(アップセルテクノロジィーズ株式会社)
A.弊社にて「インサイドセールス組織でよくある失敗事例」をコラムにまとめましたので、併せてご参照ください。(ネットビジネスサポート株式会社)
Q.リスト購入時に精度が悪かった経験があるのですが、リストの改善をしていくことは可能でしょうか?可能な場合、どのような調整をかけていくのでしょうか?
A.リスト作成時の絞り込むポイントが甘いと、なかなか成果に繋がらないリストになってしまいます。一度に大量のリストを作るのではなく、例えばまずは500~1,000件程度のリストを作成して、実際に営業アプローチをしてみる、その上でリストの精度を検証し、次のリスト作成に活かしていくというトライ&エラーでリストの精度を上げていくことをお勧めします。(ネットビジネスサポート株式会社)
Q.テレマを利用するのに適した企業フェーズはありますか?
A.始めるための適したタイミングは特にないと感じます。ただ、例えば現状Web to リードのみで新規発掘をしているものの、件数に限界を感じている、でも売上は更に上げる必要があるといった場合に、Webに加えて電話の手段を加えるのが良いのではないでしょうか。このように、それぞれの企業の求める売上ラインと連動する流れになっていのが一つの形だと思われます。(アップセルテクノロジィーズ株式会社)
Q.企業ホームページに記載されていない部署の電話番号もあるのでしょうか?
A.あります。弊社では企業の組織データを毎日集めています。データは2か月毎に最新の状態に更新し、古いものは削除します。電話番号も全件疎通テストをして、繋がる電話番号だけをご提供しています。(ネットビジネスサポート株式会社)
まとめ
BtoBの新規顧客開拓術についてご紹介しました。「精度の高いターゲットリスト」×「効果的なアウトバウンドコール」×「質の高いナーチャリング」で、新規開拓の成果を向上させましょう。
営業・マーケティングに携わる皆様の、現状の施策の見直し、今後の営業戦略について、少しでもお役に立てば幸いです。気になるサービスがございましたら、是非お問い合わせください。