名寄せとは
データベースに存在するデータの内、同一企業や同一人物のデータを集約して一つにまとめることです。
個人の場合、メールアドレスをキーにして、同じメールアドレスに紐づく情報をまとめる、企業であれば企業毎にIDを付与して情報をまとめる等して、データベースに複数存在してしまっているそれぞれの企業/個人のデータをユニークなものにします。
名寄せの必要性 – 名寄せをしないとどうなるのか?
名寄せをしていない状態とは、顧客データベースの中に、同じ顧客の情報が複数散在しているという状態です。そんなデータベースに対してマーケティング・営業活動を行うと、何が起き得るでしょう?
例えばマーケティング施策の一つとして、DMを送る場合、同じ企業や同じ担当者に2通以上のDMを送ってしまうかもしれません。ハガキや封書の場合を考えると、1通辺りは数十円としても、重複が多い場合は相応の無駄なコストになってしまいます。メールの場合でも、一人に何通も同じメールが届いてしまってはクレームにつながる可能性もあるでしょう。顧客情報の管理において、会社の信用が下がってしまうかもしれません。
実は見落としがちな企業での名寄せ
マーケティングオートメーション(MA)ツールの認知が広がり、導入している企業も増えてきました。これまで営業担当者が個人で管理していた顧客情報を一括で管理し、全社で共有しながら営業活動を行っている企業も多くあります。
MAツールには名寄せの機能が搭載されているものが多いため、個人の重複は起きることなく、先に書いたような一人に同じメールが何通も届いてしまうといったトラブルは起きづらいでしょう。
ただ、個人の重複は防げるものの、会社情報の重複はどうでしょう?意外にも、会社単位では正確に管理されていない場合が多いのです。
法人営業を行っているのであれば、データベース内の会社情報は重複のない状態にしておきたいものですが、下記のような理由から、会社情報の重複は起きやすいものです。
新旧の会社情報が混在している
合併や社名変更、移転等、何かしらの会社情報の更新は日々起きています。当社では隔月で企業データベースを更新しておりますが、2020年と2021年のデータを比較してみたところ、約34%もの会社で変更が発生していました。
ハウスリストに登録されている企業も、同じように更新されていると考えられます。データベースに更新がもれなく反映されていることが理想ですが、新社名と旧社名の会社情報が別々で存在している状態や、社名は同じでも新旧の住所で異なる会社として登録されている状態が多いのが実情ではないでしょうか。
正式名称と略称の社名が混在している
例えば下記のような表記ゆれを、自社のデータベースで見かけることも多いのではないでしょうか?
・株式会社Aガス
・株式会社AGAS
・㈱Aガス
・Aガス
これでは、アプローチするべき正しいリストが
多くの雑リストに混ざってしまいます。
社名登録の際の共通ルールを社内で設けて、
徹底できれば、このような問題は起きない
でしょうが、完全に浸透させることはなかなか
難しそうですね。
会社情報の名寄せが必要な理由
会社情報の名寄せができていないために、同じ企業が重複して登録されていたり、正しくない会社情報が混ざっているデータベースで、マーケティング・営業活動を行う場合、どのようなことが起こり得るでしょうか。
どこの会社かわからない
MAツールでのメール配信の後、自社のWebサイトを見てくれた、関心度の高い見込み顧客が解析できたとします。しかし紐づく会社情報が、変更前の社名のまま等と正確でない場合、営業としてどこにアプローチして良いかわかりません。せっかくの確度の高い見込み顧客を逃してしまいかねません。
コストが無駄になる
1年間で1割の住所が更新されるとすると、単純に考えると1年前の顧客リストでは1割、2年前の顧客リストでは2割の企業で住所が変わっていることになります。例えば下記の場合、これだけのコストが無駄になってしまいます。
1通あたり、一施策あたりのコストは小さなものでも、マーケティング活動全体を鑑みると無視できない金額なのではないでしょうか。
企業に対しての営業が非効率になる
企業情報が名寄せできていないと、本来は同じ企業に属している顧客が、それぞれ別の企業の担当者のように把握されてしまいます。その状態では、その企業に対しての営業活動が非効率になる可能性があります。
企業情報が名寄せできている場合、ユニークな1つの企業情報に、正しく複数の担当者を紐づけることができます。同じ企業に属するリストのうち、部長職の方と肩書のない方がいる場合、決裁権のありそうな部長職の方に直接アプローチした方が、営業活動としては話が早そうですよね。同様に、見込みがなさそうな部署よりも、ターゲットとなる部署へアプローチする等、1つの企業に対しての営業活動がより効率的なものにできるのです。
提案が重複してトラブルになる
例えば、2社の異なる企業の担当者に、同じ営業提案をしたところ、実はその二人が同じ企業に所属していた場合、どうなるでしょう。顧客情報の管理ができていない会社と見なされてしまいそうですね。先に提案した担当者が検討を始めていたとしても、マイナス要因を作ってしまうかもしれませんし、逆に提案を断っていたとすると、しつこい会社という印象を持たれてしまうかもしれません。
相手が大企業で非常に大きな組織であれば、こういったことが起こる可能性はとても低いのかもしれませんが、同じ企業に紐づく顧客は正しく集約しておきたいものです。
定期的な名寄せで、きれいなデータベースに
名寄せをしないことが、非効率な営業活動や顧客満足度の低下につながることはご理解いただけたでしょうか。せっかくのハウスリストを大いに活用できるよう、名寄せはコンスタントに実施することをお勧めします。
弊社では、隔月更新で最新の状態であるリストを使った名寄せサービスを提供しております。55種類のマッチングパターンを採用し、精度の高い名寄せをご提供します。貴社のリストを正しい会社情報で、重複のない状態に一新しませんか?是非一度ご検討ください。